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童話「カワセミの子とカエル」 2

『あぁ、、カワセミの子よ、、お前のその優しい気持ちで、痛みが少しやわらいできたような気がするよ。
火の点いたようにジリジリとしていた体が緑の風を感じる事ができてきたようだ。
私は本当に幸せなのかもしれない。遠ざかっていく大きな岩かげの代わりに、小さなお前が涙を流しているのが見える。ありがとう、ありがとう、。』
カエルはすうーっと目をつぶりながら、静かに話を続けました。
『しかし、いくら安らかな最期を願っても、元のように元気に泳ぎ回れる事を夢見ても、何がどうなるかは誰にも決められないことなんだろうねぇ、、』カエルは少し笑ったように見えました。そしてチラリと上を見て、
『トンビがあの橋の上から私を見つけてしまって、その時に腹が空いていれば食べてしまうだろうし、住処に待つ子供らにも分け与えるだろう。
それで私の命は終わるように見えるが、子供らの命はつながっていくんだろうね。
その中に私も溶け込んでいると思えば、そんなに悪い話ではないのかもしれないね。』
空を突き刺す杉の木の上をトンビはゆったり飛んでいます。カエルは言いました。
『それにもしトンビが私を見つけられなかったとしても、今度はお日様がまた、私の上を行くだろうねぇ、、。
この頃あんまり、ヒマワリや朝顔がお世辞を言っているもんだから、着飾った黄金を見せびらかせながら、「おおさまの黄金は、遠くで眺めて見るがいい。側に寄ったら目を潰す」なんて言って大いばりだからね。
私なんぞお日様から見れば、小さな点のようなものだから、踏んづけて歩くのも平気なようだ。そして、お日様の腰に下げた黄金のサーベルが、チクチクチクチク私の背中をかすめれば、私の背中なぞぴりりと裂けてしまうだろう。
だけど、それも仕方のない事なんだろうねぇ、。
そうだね、、仕方のない事だろうねぇ、。』
どこまでも青い空の上を、お日様はゆっくりと、金の衣を振りながら、ニカニカ笑って歩いています。
そしてカエルはもう一度目を閉じて、言いました。
『実を言うとねぇ、「そろそろ雨粒坊主らが降りては来ないかな」と、願ったりもした。そして意識が遠のいていくのを感じた時は、恐くて恐くて、このまま破裂して死んでしまいたいとも思ったもした。
だけどお日様がずっとご機嫌で、毎日パレードをしたいと言うのなら、きっとそれに従わなければならないだろうし。
お日様からしてみれば、世界が回っている中で、ちっぽけな私がここで消えようとしてるなんて事は、ほんのささいな事なのだと気がついたのさ。』
カエルはお日様のサーベルで斬り付けられた背中をゆっくり動かして『ふぅ、、』とため息をつきました。そして、悲しそうに笑顔を曇らせて、
『あぁ、、、だけれど、楽しかった毎日が終わってしまうのは、やっぱり寂しいねぇ、、』と言いました。

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初カキコ。
いつも楽しみしてるぜぇ。
でもここのログ見難いねぇ。
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りこ

  • Author:りこ
  • 12月24日生 山羊座のO型 高知県四万十市出身
    趣味の登山の話や日々考えた事やあった事なんかを、等身大で書き留めていく感じでやっていきたいと思います。
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