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ボンネットバスのお話 2

ボンネットバスは1952年に大きな街のはずれにある、とても大きな自動車工場で産まれました。  人間ならうまれてすぐなんて一人でご飯すら食べられないのに、バスはもう走る事ができたそうです。  そんなだから一緒に産まれた兄弟達も、きゅるるんぶるんっと産声を上げたかと思うとすぐにそれぞれの仕事場に向かって行きました。
さて、、兄弟達がそれぞれどこへ行って何をしたかなんて話は、いくら鉛筆があっても書ききれませんから、今日のところは置いておきまして、、。
私達のボンネットバスは早速『路線バス』という仕事に就きました。街の中にあるバス停留所という所を決められた順番に回って、お客を乗せて運んだりする仕事です。
ピカピカの新しいバスは、お客に大人気でした。真新しいイスに座って、もの珍しそうにキョロキョロしている子供や、自分の足だと遠出も叶わなかったお年寄りが流れていく街の風景を楽しそうに眺めているのを見ては、バスは自分の仕事に誇りを持って働くようになりました。
それに、一日の仕事を終えて、運転手さんと二人きりで車庫に帰る時なんかは、賑わう夜の街を散歩しているような気分にさえなり、ウキウキするのでした。
また別の路線を走ったりするのも楽しみでした。いつも同じ場所だと誰だって飽きてしまいますがバスだって同じです。
自分が走っていた街の中を坂の上から眺めたりするのも気分が違って気持ちがいいものでした。
そうして何年も楽しく働いていたバスの目にある日奇妙な物が映りました。  なんだかつるんとしていて箱みたいに四角くて、やたら出っ張りのないおかしなバスでした。
ボンネットバスと同じように朱色のボディにクリーム色のラインなのですが、明らかにすっとした育ちの良さそうな顔をしています。,
ドアが開く時なんかもなんとなくスムーズな感じで、走っている姿も洗練された都会の紳士が新しいダンスを踊っているように見えました。
そんな最新モデルのバスがいつの間にか町中を走り回っている事に気がついた頃、ボンネットバスの兄弟達の姿はどこに行ってしまったのか、少しずつ見られなくなっていきました。

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プロフィール

りこ

  • Author:りこ
  • 12月24日生 山羊座のO型 高知県四万十市出身
    趣味の登山の話や日々考えた事やあった事なんかを、等身大で書き留めていく感じでやっていきたいと思います。
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