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カメの餌

私の通う小学校は、木造の二階建て校舎。
放課後、二階にある自分の教室から出た私は、建物の端に位置する階段の手すりを滑り降り、
飼育係の仕事をする為、校庭に向かった。

この学校で飼っている動物は、主にウサギと魚(小さな熱帯魚)なのだが、ウサギは、校庭の隅にある直径1メートルの落とし穴の様な物に網を被せたという状態の小屋で10匹程、魚は水族館にあるような横幅10メートルの大掛かりな水槽で2~3匹飼われている。

もう一種類ここで飼われている動物に、亀が居る。
亀は二匹、およそ20センチ程の草ガメだ。

亀の小屋は粗末な物で、二匹の亀が幅50センチのガラスのひび割れた水槽の中で、所狭しと蠢いている。

私はまず、亀に餌をやろうと思い水槽の蓋を開けたのだが、その隙を突いて、亀は壁を飛び越えて、校舎の中へと走って逃げてしまった。

亀の素早さに驚きながらも、飼育係が亀を逃がしたとあっては大変な事だと、慌てて亀を追い校舎に走った。
しばらく走り、自分の教室の方に行くと、その教室の廊下側の窓から亀の頭が見えた。
こちらを見ている。あざけり笑うようにこちらに視線を向けている。
とは言っても、相手は亀。近づけばすぐに掴まえられるだろうと高をくくった私は、鼻歌を歌いながら亀に向かって歩いて行った。
すると、それまでじっとこちらを見ていた亀が、ものすごい勢いでこちらに走って来たかと思うと、
足首をほんの少し齧ってそのまま再び隠れてしまった。

馬鹿馬鹿しいような恐ろしいような気がした私は、亀を探す事をまずは諦め、暗くならないうちにウサギと魚に餌をやる事にし、すごすごと校庭に戻った。

戻ってみるとすでにウサギには餌が与えられており、地面の下でもぞもぞと葉っぱを食べている。
もう一人の飼育係のキャンディちゃんが先に仕事を始めてくれていたのだ。

私も早く仕事に戻ろうと、魚の餌を取ろうとするのだが、餌の容器は筒型でプラスチックで出来ており、そのくせ取り出し口が異様に小さいので、なかなか中身を取り出す事が出来ない。
その上、なぜか容器の中にはモーターでカッターが回っており、手を突っ込むと怪我をする。
四苦八苦しながらしまいには癇癪を起こしてもんどりうっていると、キャンディちゃんが言った。

「リタ。あそこに犬の死骸が落ちてる。」

見ると、茶色い毛をした大きな犬が転がっており、なぜか鼻筋から背骨に沿うようにして、半分に切られている。
随分な変死体だね、と言いながら、二人はこの犬をどうすべきか相談し始めた。

小学校の校庭に埋めるにしても、子供だけで運べる大きさでもないし困り果てていたのだが、
話し合いを続けるうちに、この犬の死に様から見て、どうもこの犬は生前悪い事ばかりをしていて、最後に神様にお仕置きされたんじゃなかろうか、「半分の刑」にされたんじゃなかろうか、という事になった。
キャンディちゃんと私は、その予想で納得し、ではこの犬が神様に許されるよう、自分達が手助けをしてあげようと、慈悲の心を持ってさらに話し合いを続けた。

結局、他の動物の命を繋ぐ為に、この犬を餌の立場にしてみたらどうだろう、犬自身は食べられる事によって他の動物の中に転生する事ができるし、食べた方は命を延ばす事ができる、それは名案だ、という結論に至り、二人は加工の準備を始めた。

キャンディちゃんが掃除用具入れから持って来た鉈を使い、手際よくその場で犬を捌いた。
私は家庭科室から持って来たミキサーにどんどん肉を入れて、肉団子を作った。

赤いバケツにいっぱいになる程の肉団子を作り、二人はいい事をしているという満足感に包まれて、亀にあげるべくバケツを運んでいると、校庭の隅の方から上品な老女が歩いて来た。

犬を知らないか?と言うその老女に、半分なら知っています、と答え、事の次第を説明すると、
なんでそんな勝手な事をしたんだ!と、老女は烈火の如く怒り始めた。

では、仕方が無いのでこの老女に犬の供養を任せようと、手に持っていたバケツを渡すと、
老女はその場に薪や落ち葉を集め、火を起こし、胸元からアルミホイルに包まれたイモを取り出し焼き始めた。
さっぱり意味がわからないので、側に放ったらかしにしてあるバケツを再び手に取り、やはり二人で供養しようとその場を去ったのだが、肝心の「犬を食べてくれる魂の浄化装置」である亀が逃げてしまっているので、探さなくてはいけない事を思い出した。

肉の臭いを嗅ぎ付けたのか、亀はすぐ側にまできてよだれを垂れ流しながら食事を待っていたので、二人が探すまでもなく意外に簡単にそいつは見つかったのだが、
魚の水槽の裏からのそのそと這い出て来た例の亀は、
体長1メートル程のスッポンに成長していた。

餌が足りない。






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No title

出演がリタとキャンディ・・・。
またしても続くのかどうかわかりませんが、今回のは何かの風刺の様な気がして。。是非、その老女の名前をあかして貰いたいものです。

(・e・)

出演がリタとキャンディ・・・。
またしても続くのかどうかわかりませんが、今回のは何かの風刺の様な気がして。。是非、その老女の名前をあかして貰いたいものです。

すんまそん

さっき、ダブル投稿してしまいました(×_×;)
違いはタイトルのところだけですm(_ _)m

No title

こいつはすごい!笑えますな~。
これを読んでて思ったのは
蛭子能収や丸尾末広は作品のネタを
夢から調達してたんではないだろうか・・
こんなおもしろシュール理不尽ストーリーって
起きてるときには考えつかないもんね。
マンガ化、もしくは映画化したいですね。

No title

これは「夢日記」ですので、続きは無いで~す。
ちなみに、リタは私、キャンディはあのカヨちゃんです。
昔っから私はカヨを「キャンディ」と呼び、キャンディは私を「リタ」と呼ぶのです。
だから夢の中でもこう呼んでます。>ネットくん

脳に直接繋げて脳内のイメージを映像化できるマシーンが開発されればいいのにね。で、i podとかに取り込んで再生出来るの。そしたら見せてあげられるのに、映像にして見せられないのが残念です。
あ、でも、キャンディが鉈を使うシーンは刺激が強いので、R18指定だな。>あらないさん

No title

リタとキャンディ・・誰のことか知ってましたよー。
知ったのは昨年、浅草に行ってからだけど(^^;)

No title

夢をこんなにすごい文章で一つの物語にしてしまうリタ!?あんたの文才にはビックリするよ!!! ただ・・・読めない漢字がいくつかあってさ!
なんだか、小学生の時に読めない漢字を飛ばし飛ばしして足りない頭一生懸命動かして読書感想文を書くためだけに本を読んでた夏休み気分になったよ・・・・・・・

でもさ、あたしとリタだったら夢と同じ様な発想して行動しそうだね!
オカルトなくだりもあるけど、なかなか深くていい話しだっ!?

No title

あ、浅草で言いましたっけ?
こんな調子なので、キャンディが先に出会った人々は、私の事を「リタ」と教え込まれ、そう呼ぶようになります。。>ネットくん

あ、そう言うと思ってた。癇癪=かんしゃく、繋ぐ=つなぐ、鉈=なた、捌く=さばく、読めなかったのはこのあたりだろ。確かにパソコンだからすぐに変換できるけど、手書きだったら辞書片手に書かないとなかなか書けない漢字よね。。

そうなの、うちらだったら夢も現実も似た様な行動を取りそうよね。
さすがに犬をさばいてミキサーにかけたりはしないけど、「こいつは悪い犬だったけど、他の動物に食わして、最後にいい事させて成仏させようー」とか言って、どこかに置きに行くだろうね。
深いでしょ、この夢。>キャン
プロフィール

りこ

  • Author:りこ
  • 12月24日生 山羊座のO型 高知県四万十市出身
    趣味の登山の話や日々考えた事やあった事なんかを、等身大で書き留めていく感じでやっていきたいと思います。
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